問題行動は感情表現のひとつ | 胴長屋犬健

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胴長屋犬健の島田です。

問題行動というと「無駄吠え」が一番多い相談になりますが、吠え癖、噛み癖・甘噛み、分離不安、拾い食い、物をかじる(イタズラ)、引っ張り癖、飛びつきなど、相談内容は多岐に渡ります。

問題行動とは言うものの、それは“人間側から見て問題”だと思う行動であり、犬からしてみると、当たり前の行動だったりします。

お腹が空いたからご飯を要求して吠える、飼い主さんの帰宅で一人で寂しかった思いから吠える、インターフォンが鳴ったら人が来るのでみんなに知らせるために吠える、知らない人に帰って欲しくて吠える、触られるのが嫌な場所に触れられたくなくて噛む、楽しくなってついつい甘噛みする・飛びついてしまう、、美味しそうなニオイがする物が落ちてたから無くなる前に食べる、暇だから部屋の中の物を囓る、散歩が楽しくてついつい引っ張ってしまう・・・などなどです。

こうしてみると、犬の感情が爆発したり、満たされない欲求を解消しようとしたりして、つまり感情表現のひとつの方法として、そうした行動を取るのだということがわかります。

なので、余程のことでないかぎりは許してあげて欲しいとは思いますが、許しっぱなしにしておくのも善し悪しです。

例えば、インターフォンが鳴ったら「誰か来たよ~」と数回吠える程度であれば、日常生活にも差し支えはないでしょうが、来客がいなくなるまでずっと吠え続けているようであれば問題になってきますし、それをずっと許していると、吠えることが習慣化してしまって困ったことになる場合もあります。

ちょっとしたことにも吠えてしまう犬だとしても、隣家が離れた場所にあるような場所に住んでいるのであれば、吠えたところで近所迷惑にはなりませんので、ご家族が気にしなければ「問題行動」とまでは言えないかもしれません。

しかし、住まいが集合住宅であったり、閑静な住宅街であったりすると、ちょっとした吠えでも近所迷惑になる場合がありますので、そうなると「問題行動」と言われるようになったりします。

そういう意味では、その行動が感情表現として許される環境・状況、許されない環境・状況があるわけです。

そして、その行動が許されない環境・状況であると「問題行動」と言われるようになり、トレーニングが必要になるケースも出てきます。

本来は、その行動が習慣化してしまい、問題行動と言われるようになる前に、小さい芽のうちに摘むのが理想です。

望ましくない行動は阻止し、望ましい行動は何かを教え、習慣になるまで練習するのです。

叱って止めさせようとするだけでは、何が正しい行動かを教えていないので、対処の仕方が間違っていると、行動がよりひどくなる場合もありますので、注意は必要です。

今レッスンを行っているカニンヘン・ダックスのSちゃんも、社会化不足で色々な物が苦手であることもあり、色々な場面で吠えてしまう子ですが、吠えた時の対処方法が良くない場合もあったため、吠えがひどくなっていたのでした。

社会化不足だけでなく、吠えること自体が習慣化しつつあったので、まだまだ吠えてしまいますが、飼い主さんが一生懸命社会化トレーニングを行ったり、吠える前に対処したり、吠えた後の対処をしっかりし、吠えなかったときにはほめてあげることで、徐々に吠えが軽減してきています。

人からしてみるとやっかいな問題行動ではありますが、「こうなって欲しい」というイメージを持って、守るべきルール(望ましい行動・望ましくない行動)をしっかり教えて、身につけさせる、つまり、“しつけ”をきちんとすれば、いずれそのイメージに近づいてくれると思います。

今、愛犬の問題行動で困ってらっしゃる飼い主さんも、あきらめずに“しつけ”を続けていただければと思います。

ただ、何でもかんでも、人が「こうなって欲しい」というイメージを押し付けないことです。

問題行動は感情表現のひとつなのですから、その感情に、愛犬の心に寄り添ってあげることも必要だと思います。

無理矢理しつけるのではなく、まずは愛犬を受け入れて、より良い方向に導いてあげてください

それでも、どうやってしつけたら良いのかわからない、対処したら良いのかわからないという場合もあるかと思います。

そんな場合には、胴長屋犬健までお気軽にご相談くださいね!