吠えたことを自慢するワンちゃん | 胴長屋犬健

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By: Andrey  CC BY 2.0

胴長屋犬健の島田です。

先日、普段は吠えないのに、散歩の時だけすれ違う犬に吠えかかるトイプードルのTくん(♂4歳)のしつけ相談をしました。

犬が苦手というわけでもないし、縄張り意識が強いというわけでもなく、人にはフレンドリーで、ピンポン吠えも来客吠えもありませんし、知り合いのワンちゃんとも仲良く遊べるそうです。

散歩中の犬への吠え(と少し向かっていく態度)以外はすごく良い子なのです。

他の犬に吠えるワンちゃんに多いのは、犬が苦手だったりして、こっちに近づいてきて欲しくなくて、「あっちへ行け!」と吠えるケースです。

逆に、犬が好きで、挨拶したい、遊びたいという理由で吠えるケースもありますが、Tくんの場合はどちらでもないようでした。

そこで、実際の様子を見せてもらうために散歩に出て、いつものように散歩してもらっていました。

しばらくして柴犬とすれ違いましたが、まだ遠くにいる段階では、特にTくんに緊張も見られませんでした。

近づいてきたときに、飼い主さんが「T、吠えないでね」と声をかけたところで、どうやらスイッチオン。

3~4mの距離で吠えはじめ、すれ違うまで吠えていましたが、そんなに攻撃的な吠え方ではないなぁと思っていたら、吠え止んだところでくるっと振り向いて飼い主さんを見たのです。

「どう?僕吠えて追い払ったよ!」とでも言うかのような自慢げな様子です。

それに対して、飼い主さんは「T、吠えちゃだめでしょ!」と叱っていましたが、Tくんはむしろご満悦です(笑)

つまり、Tくんにとっては、飼い主さんの「吠えないでね」という言葉や少しリードを引っ張ったりする態度が吠える合図(「吠えろ」と言われているのと同じ)となっており、飼い主さんが叱っていることが返ってご褒美になっている(Tくんは叱られているのではなくほめられていると思っている)ようでした。

この場合、Tくんが吠えているというより、飼い主さんが吠えさせていると言った方が良いかもしれません。

Tくんにしてみれば、飼い主さんに「吠えろ」と合図を出され、吠えたらほめてもらえるという習慣ができあがっているわけですから、まずは飼い主さんに行動を変えてもらうことで、その習慣を断ち切ることにしました。

すれ違う時の飼い主さんの行動を改善してもらいつつ、吠える前にアイコンタクトを取りほめてあげること、可能なら相手が通り過ぎるまでオスワリをさせてほめ続け、吠えずにいられたらさらにほめてあげることを、基本的な対処方法としました。

また、吠えたときには、Tくんを完全に無視してもらうようにし、「吠えても良いこと(飼い主さんにほめてもらえる)が起きない」ことを学習してもらうようにしました。(「犬を無視することの意味」参照。「やめて欲しい行動を取っているときは無視」)

本気で犬が苦手で相手を追い払おうとして吠えている場合だったら、「無視する=その行動を肯定する」ことにつながってしまいますが、Tくんの場合は「吠える=ほめられる」という状況なので、無視するのが一番なわけです。

その代わり、吠えなかったときにすごくほめてあげることで、Tくんにも考え方を変えてもらいます。

その後は、何度か吠えることもあったTくんですが、途中から吠えずにやり過ごすことができるようになりました!

興奮して吠えているわけでも、犬が苦手で吠えているわけでもないので、すぐに飼い主さんが望む行動を理解してもらえたようです。

ただ、これまでの習慣は身体に(というか脳に)染みついているので、つい習慣で吠えてしまうこともありえます。

それでも、Tくんと飼い主さんだったらすぐに吠えずにすれ違えるようになるはずですから、習慣になるまで練習を続けてくださいね。

以上、少しでも参考になればと思いますが、うちの子は犬が苦手で吠えてしまって困っている・・・というような場合は、胴長屋犬健までご相談下さい

一緒に困った状況を改善していきましょう。(^_^)