2015/08/07
胴長屋犬健の島田です。
「花火や雷の音を怖がってしまう犬(前編)」の続きです。
音恐怖症の対処方法は?
すでに音に対して怖がるようになっている場合は、どうしたら良いでしょうか?
①環境を整える。
外の音にも恐怖を感じるようであれば、なるべく聞こえないようにするためにも、逃走防止のためにも、部屋を閉め切ることで、安全・安心な環境をつくってあげましょう。
ハウス(クレートなど)を嫌がらない子であれば、ハウスに入れて落ち着かせてあげることも有効です。
ハウスを嫌がる子の場合は、無理矢理に入れると余計にパニックになる場合があるのでやめましょう。
②犬をイベント会場に連れて行かない。
ほとんど大きな音を気にしない犬は別ですが、少しでも嫌がるようなら、花火やライブなどの大きな音を扱うイベントは拷問でしかないでしょう。
留守番させましょう。
③状況をコントロールする。
音源から離れれば、恐怖も感じなくなりますので、速やかにその場を離れましょう。
雷の場合は広域に渡るため困難ですが、より雷の音や振動を感じにくい場所(地下など)に移動するのもひとつの方法です。
また、愛犬が震えていたり、パニックになっているのを見て、飼い主さん自身もおろおろしてしまうなど精神的に不安定になると、それが愛犬にも伝わり、余計に不安感を増長させてしまう場合があります。
まずは飼い主さん自身が心を落ち着かせた上で、犬をやさしくなでたり、マッサージするなどして落ち着かせてあげましょう。
過剰に同情することも良くありませんので、できるだけ冷静に、静かに声をかけ、そっとなでてあげるなどしてください。
犬を軽く圧迫するように抱くのも効果がある場合があります。
雷恐怖症の犬は、雷が鳴る前から気配を感じて落ち着きがなくなることがあるため(気圧の変化や静電気などによる)、そのような様子が見て取れた段階で対処してあげると良いでしょう。
外飼いをしている場合には、逃げ場がない状況になり、それが余計に恐怖心をつのらせてしまいますので、家の中やガレージなどに入れてあげると良いでしょう。
④対策グッズを使う。
例えば、サンダーシャツのような圧迫感のある服を着せることで、不安を軽減できる場合があります。
ただし、花火や雷の時だけ着せるのではなく、日頃から慣らしておくことも必要です。
(服と状況を関連付けてしまい、服を見ただけで怖がるようになる場合もあるため)
また、雷の場合、大気中の静電気が身体に溜まることにより、それが不快感・不安感につながる場合があるようです。
静電気を取り除く服(ストーム・ディフェンダー・ケープ)を着せることで不安を軽減できる場合があります。
⑤身体の内側から不安を取り除く(食生活を改善する等)
以前、「身体の内側から不安を取り除こう」(その2、その3、その4)で書きましたが、不安を解消するための対処方法を行うことで、不安のレベルを下げることが期待できます。
他にも、ハーブやアロマ、サプリメントを利用して不安を取り除くことも効果はあるでしょう。
⑥獣医に相談する。
症状が重い場合には、薬物治療も選択肢のひとつになりますので、獣医師に相談して薬を処方してもらいましょう。
必要なときに抗不安薬を使用することで、数時間は不安を軽減できるでしょう。
⑦胴長屋犬健に相談する。
薬や食事、グッズなどにより音恐怖症を軽減することはできますが、それだけでは克服できない場合も多いため、同時にトレーニングを行った方が良いでしょう。
「その音は怖くない」と学習し直してもらうことで、音恐怖症を改善し、同時に音のストレスからも解放された方がより望ましいと思います。
お困りの際には胴長屋犬健までご相談下さい。
⑧迷子札やマイクロチップを活用する。
それでも、パニックになって逃走してしまう可能性はゼロとは言えませんので、もしものときに備えておきましょう。
以上、音恐怖症について書いてきました。
人間でも恐怖を克服するのは難しいことですから、それが犬ともなればもっと困難でしょう。
しかし、克服できると信じて、あきらめずに対処していくことが肝心だと思います。
お困りの際には、一人で悩まずに、胴長屋犬健までご相談下さいね。