雄犬は去勢した方がいいの? | 胴長屋犬健

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胴長屋犬健の島田です。

先日、初めて犬を飼うという栃木の方に、電話でしつけ相談をしました。

まだ3ヶ月のカニンヘン・ダックスフンドの男の子ということで、とにかく急いで「社会化トレーニング」を行うようにアドバイスしました。

「社会化」というのは、犬が将来出会うであろうもの(人・犬・物・音・環境など)に対して、恐怖心を抱かずに済むように、色々なものに慣らすことです。

色々なものが恐怖の対象でしかないとすると、人間社会で暮らしていく上で、ストレスばかりを抱えて生きていくことになりますし、恐怖から吠えたり、噛んだりといった困った行動をとるようになってしまう可能性もあります。

社会化トレーニングは、犬の一生を通じて行っていく必要がありますが、特に脳が未成熟な生後4~12週齢の時期(社会化期)が一番慣らしやすく、生後4ヶ月を過ぎたあたりからは恐怖を感じることの方が多くなっていくので、社会化期に大急ぎで色々なものに慣らしてあげて欲しいと思います。

もちろん、ワンちゃんが生まれ持った性格によっても異なります。

初めからあまり恐怖を感じずに慣らしやすい子もいれば、色々なものを怖がってしまうビビりな子もいますので、具体的な社会化トレーニングの方法については、胴長屋犬健までご相談いただければと思います

さて、先日のカニンヘンの男の子の相談の際、去勢した方が良いのか聞かれました。

去勢をする、しないは、飼い主さんの考え方次第ですので、メリットとデメリットをお話しました。

メリットとしては、男性ホルモンからくる病気や困った行動の可能性を減らすことができます。

例えば、前立腺肥大や睾丸腫瘍などの病気になる可能性が減りますし、マーキングをしないか、あるいはマーキングはしても頻度が少なくて済んだり、マウンティングの頻度が減ったり(しなくなるとは限らない)、オス同士での闘争があまり見られなくなったり、それまで攻撃的だったのに少し穏やかになる場合もあります。

ただし、すでに成犬になっていて、マーキングやマウンティングを行うようになっている場合には、去勢手術をしてもしなくなる可能性は低くなります。

逆にデメリットとしては、去勢手術の際に、麻酔があわないなどして死亡する可能性がありますし、術後に傷口から細菌が入り、感染症になってしまう可能性などもあります。

体重管理をしてあげないと肥満になる可能性も高くなり、そのせいで糖尿病などの病気になってしまうことも考えられるので注意が必要になります。

ちなみに、もうすぐ4歳になる看板犬のクルゾンは、生後9ヶ月で去勢手術をしました。

まだマーキングをするようになっていなかったこともあり、今もマーキングはせず、足を上げてオシッコをすることもありません。

体重が8キロとミニチュア・ダックスフンドにしては重いのですが、骨格がしっかりしていて筋肉もあることによるもので、別に肥満ではないので、去勢手術のデメリットはなかったといって良いでしょう。

メリットが大きいか、デメリットの方が大きいのかは、ケースバイケースとなるので一概には言えません。

特に去勢手術で死亡してしまう可能性も残念ながらあるため、それが心配で去勢手術をされない方もいらっしゃいますが、感情論で決めるのではなく、去勢手術をしないことのリスクもしっかりと考えて判断して欲しいと思います。

去勢をしない場合には、男性ホルモンの影響を受けやすくなるので、男性ホルモンに関わる病気になりやすくなりますし、まずマーキングをするようになりますし、マウンティングもするでしょう。

ひどい子になると、自宅でも頻繁にマーキングするので大変で、慣れない場所だと落ち着かないのでマーキングの頻度が増えるため、マナーパンツが必須になります(数分に1回するような子もいる)。

By: Abi Skipp  CC BY 2.0

男性ホルモンに突き動かされてケンカっ早い子になってしまう可能性もあります。

そういったことも考えて、去勢手術をするかしないかを検討していただきたいと思います。

私としては、将来、交尾をさせる計画がないのであれば、去勢をした方が良いと思います。

交尾をさせるつもりがないのに、去勢をせずにいるのは「拷問に等しい」状況もあるからです。

目の前に生理中の雌犬が現れた場合、未去勢のワンちゃんにとって交尾できないのは拷問と一緒なのでは?・・・と思っているからです。(^◇^;)

なので、子供を作る計画がないなら去勢手術をしてあげて欲しいなと思います。(^_^)