犬を尊重することからはじめよう | 胴長屋犬健

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By: State Farm  CC BY 2.0

胴長屋犬健の島田です。

ここのところ、噛み癖のあるワンちゃんのしつけ相談やレッスンが続きました。

噛まれれば血が出ることもある状況でしたが、幸い、いずれもそこまで深刻な状態ではなかったので、短期間で関係の修復ができました。

ワンちゃんに噛み癖がついてしまったのは、どのケースも飼い主さんの対応が良くなかったからです。

1頭は、前のドッグトレーナーのやり方が強制的だったために恐怖を感じて噛むようになってしまい(ついでに吠えもひどくなり)、飼い主さんも教わったやり方しか知らなかったので、それを続けてしまったことが原因で噛むのが癖になってしまったのです。

どれも、甘噛みをしたり、イタズラをしたりと、やって欲しくない行動をしたときに、首根っこをつかんで押さえつけたり、つり下げたり、リードを強く引っ張ったりするという、強制的なやり方をしていました。

そのため、背中の方に手を回そうとしただけで噛みついてきたりもしますし、人の手そのものが苦手になっているので、触って欲しくない部位を触ろうとしただけでも噛んでくる場合もあります。

犬に伝わるような叱り方をして止めさせるのであればまだ良いですが、無理矢理押さえつけたのでは「恐怖」しか感じません。

そのため、人の手が近づいて来ると嫌なことが起きると学習し、嫌なことをされたくないので、先制攻撃として、あるいは反射的に噛みついてしまうようになったのです。

飼い主さんたちも、愛犬を可愛がっていないわけではないのですが、犬との接し方が良くわかっていないため、ほめるのも下手ですし、叱り方もわかっていないので、このようにお互いにとって望ましくない状況に陥ってしまったのでした。

まだ、飼い主さんが叱った後で、うまくフォローできていれば、このようにはならなかった可能性もなくはありません。

ただし、それもDV(ドメスティックバイオレンス)と一緒で、「暴力を振るった後で優しくされた→いつもは優しい→別れられない」という悪循環と大差ないのでは?などと考えてしまうのです。

いずれにしても、噛み犬の多くは、飼い主さんが作り出しています。

以前からブログにも書いているように、基本的に、望ましくない行動をとったときに「しかる」のではなく、望ましい行動をとってくれたら「ほめる」ことで、ルールを教えていって欲しいと思います。

前者メインでルールを教えようとしている場合は、愛犬との関係性がこじれる可能性があるので、やめた方が良いでしょう。

そもそも、「犬を尊重」していれば、力でどうにかしようなどとは思わないでしょう。

力に訴えないと犬は言うことを聞かない・・・などと思っているなら、犬を馬鹿にしているにもほどがありますよね。

まずは、愛犬を「犬として尊重」し、「信頼」することからはじめて欲しいと思います。

そうしなければ、犬の方も「人を尊重」し、「人を信頼」することはないのです。

噛み犬になってしまったワンちゃんたちも、まずは飼い主さんに犬を尊重し、信頼するように意識を変えてもらい、接し方にも気をつけてもらいました。

そう簡単に噛まなくなるわけではありませんが、それでも徐々に噛みにくくなってくれています。

基本的には、愛犬が嫌がることはしないようにしてもらいましたが、首輪やリードの脱着や、ブラッシングや耳掃除なども嫌がってできない状況だったので、そういったことを嫌がらない(できれば好きになる)ように練習していただくようにもしました。

例えば、首の後ろに手を回し、噛んでこなければ、ほめてオヤツをあげる、といった嫌なことを嫌でなくしていく練習をひたすら繰り返すわけです。

それと同時に、人を尊重してもらうことも理解してもらう練習も繰り返し行っていきました。

時間はかかるかもしれませんが、こうやって少しずつ関係性を再構築することで、いずれは噛まなくなってくれるはずです。

同じように愛犬の噛み癖で困っている飼い主さん、気軽に胴長屋犬健までご相談くださいね