身体の内側から不安を取り除こう(2) セロトニンを増やすには? 1 | 胴長屋犬健

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胴長屋犬健の島田です。

昨日の「身体の内側から不安を取り除こう」の続きです。

昨日は思い出せずにいたのですが、以前、神経生理学者のマイケル・D・ガーション博士が、「セカンド・ブレイン」(第2の脳)と言う本の中で、「腸にも脳がある」という事実を発表して話題になったことがありました。

どういうことかというと、脳の次に神経細胞の数が多いのが「腸」であり、首から下の神経の50%以上が腸にあるからだそうです。

さらには、「セロトニン」の90%以上が腸で作られており、腸の動きをコントロールしていることも明らかになっています。

ただし、腸のセロトニンが脳へ届くことはなく(「脳血液関門」という関所を通ることができない)、脳で使われるセロトニンは脳内で合成されたものだそうです。

じゃあ、「腸のセロトニンが増えても脳に影響を与えないのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、セロトニンを生成する前段階の物質「前駆物質」(L-トリプトファンと5-HTP)は脳血液関門を通過できるので、腸の前駆物質を増やしてあげれば、それが脳に届き、脳でセロトニンをたくさん合成でき、精神状態が良好になる・・・というわけです。

なお、腸のセロトニンが増えすぎると過敏性腸症候群を引き起こすとも言われていますので、そう考えると、ワンちゃんがストレスから下痢や血便になるのも納得ですね。

腸内細菌がセロトニンの生成を調節しているという研究結果もあるようなので、腸内環境を整えることが、適切なセロトニンの生成を促すと言うことになるかもしれません。

腸内環境が崩れると脳内のセロトニンの生成にも影響し、セロトニンが不足するとノルアドレナリンの(感情面の)コントロールがうまくできなくなり、精神状態も悪化し、不安や恐怖、怒りを感じやすくなって、ストレスが溜まりがちになり、それにより、また腸内環境が崩れていくという悪循環も生じるわけです。

では、腸内環境を整えつつ、セロトニンを増やし、精神を安定させ、不安感を取り除いてあげるにはどうしたら良いでしょうか?

基本的には人間と一緒ですが、人間のように自分で食べ物を調達しているわけではありませんので、飼い主さんが手助けしてあげる必要があります。

1.トリプトファンとビタミンB6の摂取

セロトニンを生成する働きがある成分を含んだ食品を適度に摂取させてあげると、セロトニンが増加します。

セロトニンの生成には「トリプトファン」という必須アミノ酸と「ビタミンB6」が必要ですので、トリプトファンとビタミンB6を多く含む食品をあげましょう。

例えば、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、大豆製品(豆腐、納豆)、卵(黄身)、バナナ、牛・豚などの赤身、豚・鳥レバー、カツオ、マグロなどです。

特に、牛・豚などの赤身肉や豚・鳥レバー、カツオ、マグロ、バナナの場合は、トリプトファンとビタミンB6を豊富に含んでいるので良いと思います。

ただし、乳製品を与える場合には注意が必要です。

成犬は「乳糖不耐症」(乳糖分解酵素が少ない)であるため、普通の牛乳をあげると乳糖を分解できずに下痢することがありますので、乳糖を調整した犬用ミルクにするか、人間用のお腹がゴロゴロしない(乳糖を調整した)牛乳をあげるようにしましょう。

ヨーグルトは、糖分があると太りやすくもなりますし、脂肪分で下痢をする場合もあるので、無糖で低脂肪か無脂肪タイプのプレーンヨーグルトをあげましょう。

チーズは、人間用では塩分が高いので少量をたまにあげるにとどめるか、塩分の少ない犬用のチーズをあげましょう。

いずれも、あげすぎは肥満などの元になりますので禁物ですが、ヨーグルトや納豆をあげることで、腸内環境を整える効果も期待できるのでオススメです!

なお、食品以外にも、セロトニンの前駆物質(L-トリプトファン)や精神を安定させる効果のあるハーブ等の成分を含んだサプリメントをあげることもひとつの方法です。

アレルギーがあるワンちゃんの場合、なかなか新しい食品にチャレンジするというのも難しい場合がありますので、サプリメントを効果的に利用するというのも良いかと思います。

ただし、ネットで購入できるようなサプリメントでは心配な場合もあるので、まずは獣医師に相談した上で、安心できるサプリメントを出していただくようにした方が良いでしょう。

<次回へ続く・・・>

人間でも、食生活の改善は、すべての大本になるかと思います。

しかし、不安から来る問題行動が習慣化している場合は、食生活の見直し(身体の内側からの働きかけ)だけではなかなか改善しませんので、平行してトレーニング(身体の外側からの働きかけ)を行うことでより早く改善が見られるようになります。

胴長屋犬健までご連絡いただければ、ワンちゃんに適した食生活やトレーニング方法などをご提案させていただきますので、ご興味を持たれた方は気軽にご相談下さいね!

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